合宿&キャンプメニューの王道:カレー
キャンプや合宿で王道メニューのと言えばカレーです。
煮込み料理で簡単に大量に作れる上に誰が作っても大抵美味しく出来上がる。
野菜もお肉も入っていて、ご飯にかけてお腹いっぱいになりやすい。
そして、大抵の人がカレーが好き。
との理由から部活の合宿やキャンプ。また、大人数の食事を用意しなくてはならないシチュエーションで殆どの場合採用されると言っても過言ではないメニューです。
作り方も簡単で費用面に置いてもリーズナブルなカレーですが、実際に作るとなると意外と時間がかかるもの。
人手が多ければ野菜を切る係、炒める係、と役割分担をして進められますが「スケジュールが押していて時間が足りなさそう。」「人手が足り無くて食べる時間に間に合わない!」というシチュエーションも出てきます。
実は私も先日30名分のカレーライスを1人で作る仕事を任されました。
カレーライス位は作れますがいつも作る量は4名分くらい。
過去に30名分くらいのカレーを作った事はありますが、その時は5名くらいのグループで作ったので役割分担で行いました。
今回は1人で作る事になってしまい、仕事を任された時はややパニックでした。
そんな時に知り合いの主婦の方から大量のカレーを1人で早く作るコツを教わって、それがとても上手くいったのでご紹介します。
特別な道具は必要なし
インターネットで「カレー」「時短」「早く作る方法」を調べてもほとんどが「電子レンジで野菜を加熱する」方法しか見つける事が出来ませんでした。
4〜5人分だとその方法でも大丈夫ですが、30人分ですと、電子レンジを使う方が多分時間がかかります。
もしくは、ひき肉を使ったキーマカレーや、火の通り易いきのこカレーなどの具材を工夫したメニューも出てきました。
しやし、キャンプや合宿だと費用がそんなにかけられなかったり、変わった具材だと子ども達に受け入れられない事もあるので人参、タマネギ、ジャガイモ、お肉といった、スタンダードなカレーを求められる場合がほとんどです。
今回私がお教えする方法はもっと簡単な方法ですので、是非読んで参考にしてみてくださいね。
「普通のカレー」の必須条件3つ
今回のゴールは、「30人分の美味しいカレーを予定時間までに作る」です。
大前提として覚えていて欲しいのは特別なカレーライスでは無く、普通のカレーライスを作ります。
何故なら、カレーは普通に作れば大抵美味しいからです。
なので特別な事をしなくても、まあ皆さんに満足してもらえるはずです。
ココで大切なのは、不味いカレーを作らない事。
「カレーは誰が作っても美味しく出来るじゃん。」
と思ったあなた。
いえいえ、不味いカレーって食べた事ありませんか?
小学生の時に行った臨海学校や修学旅行で自分たちで作った、固い人参が入ったカレーや黒い焦げが浮いているカレーがそれです。
そして、もう一つの条件は水が多過ぎてシャバシャバしてしまったカレー。
今回、私が考えた合格ラインの最低限のカレーの条件は、
□野菜に火がちゃんと通っている事
□焦げていない事
□水の分量がちゃんとしている事
この3点さえこなしていれば、合格ラインの「普通のカレー」が出来ます。
時短のコツはたった1つだけ
さて、では本題に移ります。
実はこの方法、とっても簡単です。
大人数分のカレーを普通の美味しさレベルで作るコツ。
それは、野菜を炒めない事
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「どゆこと?」
と思ったあなたへ、簡単に言うと
野菜を炒めずに、少量の水で煮込んで火を通す
という事です。
普通、カレーの作り方は
①先にタマネギ、人参、ジャガイモの野菜とお肉を炒める。
②具材に火が通って来たら水を加えて煮込む。
③アクが出て来たらおたまでアクをすくう
④カレールーを溶かして少し煮込む
⑤完成
とまあこんな感じです。
ですが、この方法で30人を1人で作ると、1人で野菜を切って大量の野菜を焦げない様に混ぜながら炒めて等、全ての工程を失敗しない様に行うとおそらく3時間くらい掛かるはずです。
この人数分のカレーの野菜を焦がさない様に炒めるだけでも腕が疲れます。
この普通の作り方の作業のうち、炒める工程を無くして、
鍋の数センチに水を張り、
少量の水を沸騰させている間に、
野菜を切ってどんどん鍋に放り込む。
そうする事によって野菜をカットしてる間も野菜にどんどん火を通していきます。
①先にタマネギ、人参、ジャガイモの野菜とお肉を炒める。⬅この工程を
②具材に火が通って来たら水を加えて煮込む。
③アクが出て来たらおたまでアクをすくう
④カレールーを溶かして少し煮込む
⑤完成
①火の通りにくい野菜から切って、片っ端から鍋に入れて行く⬅こうする!
③アクが出て来たらおたまでアクをすくう
④カレールーを溶かして少し煮込む
⑤完成
ポイントは少量の水で煮込む事です。
そもそも先に具材を炒めるのは早く日を通す目的もありますが、その分炒めると焦げてしまう可能性もあるので、誰かが尽きっきりで鍋を具材をかき混ぜる必要があります。
大量の水で煮込むと今度は火の通りが遅くなり、その分時間が掛かってしまいます。
しかし、少量の水(具材の高さの同じくらいの高さの水分)で煮込むと熱伝達が早いので炒めなくてもちゃんと野菜に火が通り、かつ焦げる事も少ないのです。
実はコレが思った以上に良い方法でした。
野菜を炒める場合は、炒めている間は鍋に付きっきりで無いと焦がししまう可能性があるため、炒めながら野菜を切る作業をするのはリスクが発生します。
また、先にすべての野菜を切って鍋に入れる準備をするためには、野菜を入れておく容器や切っておいた野菜を置いておくスペースが必要になってきます。大人数分のカレーは野菜を置くスペースの確保だけでも手間がかかり、作業ペースが落ちてしまいます。
しかし、野菜をカットした片っ端から鍋に入れていくと、野菜を置いておくスペースも節約されて、作業もとてもしやすいのです。
変な話カレーの場合野菜が固くて困る事はあっても野菜が柔らか過ぎて困る、という事は無いので、とにかく「焦がさずに野菜に火を通す」を心得て作業していきましょう。
時短カレーの作り方をステップ毎にご紹介
ではやってみましょう!
材料は人参、タマネギ、ジャガイモ、お好みのお肉とカレールーです。
①先にお米の準備から
先にお米を炊く準備をしましょう。お米を洗って水につけておきます。無洗米ですと楽です。1人分のお米の量は普通0.75合ですが、カレーライスは少し多めに1人当たり1合と考えます。5kgのお米は33合分なので、少し多いですが一気に全部炊きました。お米は20分くらい付けて置いた方が良いですが、スイッチを入れる事を忘れずに。
②鍋底に5cmくらいの水を入れて加熱します
最初に鍋底に5cm位の水を加熱します。水を沸騰させたいので強火で大丈夫です。30人分の鍋は大きいので沸騰するにも5~10分程かかります。沸騰させている間に野菜の皮むき、カットをします。
③火の通りにくい人参からカット
先に火の通りにくい人参の皮むき、カットを始めます。
人参はジャガイモに比べて皮も剥き易いので作業はスムーズですね。30名分のカレーの人参は6〜8本くらいです。皮を剥き、カットをしてどんどん鍋に入れていきます。鍋の湯の量が人参をひたひたとかぶる位の高さになるのが理想です。もし足りなければ少しずつ水を足していってください。
※人参を入れ終わった段階でご飯のスイッチを入れ忘れて無いかチェック。
④次にジャガイモ!
次はジャガイモです。ジャガイモは火が通り過ぎると溶けてしまうので少し大きめにカットしました。(3〜4cmくらい)
火が通るか心配でしたが鍋に入れた瞬間からぐつぐつ煮込まれていて、少量の水だと熱伝達も早いので出来上がる頃にはちゃんと火が通っていました。
ジャガイモが溶けるとでんぷん質のおかげでカレーにとろみが出るので、私はレシピの量よりも多めにジャガイモを入れるのが好きです。
ジャガイモは皮を剥くのに少し時間がかかるため、人参を入れた時点で少し水を足し、時間稼ぎと共にジャガイモが入った時の分のお湯を先に沸騰させておきました。
ジャガイモをカットしたら片っ端からどんどん鍋に入れていきます。
ジャガイモと人参が全部入ったら鍋をかき混ぜてください。最初から水で煮込んでいるため、焦げる事はほぼ無いと考えて良いですが、念のため鍋底にくっついていないかのチェックのため、そして混ぜると火の通り方も均等になり易いので、時々混ぜてあげてくださいね。
⑤タマネギも炒めず煮込む
タマネギを入れると最初は量が多いので、鍋の野菜にボリュームが出ますが、火が通ると小さくなりますので、その事を頭に入れて水を加えてくださいね。しぼんだ後のタマネギ全体がギリギリ水に浸るくらいが良いです。
張り切って水を入れると、水分が多すぎてカレーがシャバシャバになってしまうのでご注意を。
⑥お肉の準備&灰汁取り
最後に肉をいれます。
恐らくお肉の準備をしてる3〜5分の間にタマネギにも火が通って野菜から灰汁が出て来ていると思います。お玉で灰汁をとりましょう。
⑦肉をいれたら煮込みます。
お肉をカットして鍋に入れます。
お肉はちゃんと火を通す必要があります。生煮えですと食中毒の危険性もありますので、ココでちゃんと煮ましょう。
煮込んでいる間に道具の洗い物と片付けタイムです。
⑧片付けが終わったらカレールーを投入
この方法ですと、切った野菜をおいておく容器を使う必要も無いので、洗い物はおそらく10分もあれば出来ると思います。鍋の具材に火が通っている事を確認し、灰汁も出ていたら取ってあげます。灰汁を取った後にカレールーを投入です。
この時ルーをちゃんと溶かしてあげましょうね。
⑨ルーが溶けたら9割完成
さて、ルーが溶けたら鍋をかき混ぜて、ほぼ完成ですね。
ルーを溶かしながらお水を追加するかしないか様子を見て下さい。
とろみがある方がシャバシャバしてるよりは美味しそうに見えるとは思いますがこの辺は個人の好みでOK。
ルーが溶けたら中火か弱火にして少し煮込みましょう。
水で煮込んでいる時には焦げにくいですが、ルーが溶けると汁の部分も焦げ安くなるので火の強さは要注意です。この時点で野菜は火が通ってるはずなのでグツグツ煮込む必要はありません。
弱火で煮込んでいる間に、お皿をやスプーンの用意です。
⑩お米は炊けたかな?
さて、カレーは完成しましたね!
実は私がこの方法でカレーを作った時、意外な事にご飯が炊けるよりもカレーが完成する方が早かったです。
それだけ時短が出来たという事。
30名分のカレーを1人で1時間足らずで完成出来ました。
ご飯が炊きあがったのがカレーが完成して20分後でしたので、時間が余ってしまったのです。
その間に一緒に作っておいたサラダを盛りつけていました。
⑪ご飯が炊けたら盛りつけて完成!
ご飯が炊けたら食べる準備をするのみです。
意外と時間が余ってしまったので、人々が食べ始める前に台所で使った道具の片付け迄終わらせて、食後のお皿がスムーズに洗える為の前準備までする事が出来ました。これには本当に驚きました。
この方法はカレーだけでなく、シチューにも使えます。
特別な道具はいらない、順番を変えただけ
この方法は電子レンジも使わないので、キャンプ場等、道具が限られた環境でも使う事が出来ます。ただガスは通常よりも多めに使うのでガスが使える量がギリギリという環境の場合は少々難点です。
しかし、この炒めずに最初から煮込む方法を使うと、時間が調理の時間が短縮されるだけでなく、
- 使う容器が減らせる
- 作業スペースも節約出来る
- 隙間時間で片付けも出来る
- しかも洗う道具も通常よりも少ない
- 早く出来るだけでなく、人手不足でも出来る
と利点がとても多いのです。
1人でカレー30人分を作るのって凄いのよ
是非お試しあれ♪
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